豊中にこの企業あり!
活躍する会員企業の概要・事業展開などを中心にご紹介します。
第23回 塩野義製薬(株)新薬研究所

右から、尾熊隆嘉氏(所長)と
月野木祐二氏(次長)

URL:http://www.shionogi.co.jp/
塩野義製薬(株)新薬研究所
所長:尾熊 隆嘉氏
主な事業内容:医薬品の安全性に関する研究開発
本社所在地:豊中市二葉町3-1-1
TEL:06-6331-8081(代)
■統合と拡充
 塩野義製薬(株)の歴史は明治11年、初代塩野義三郎氏が大阪道修町にて薬種問屋・塩野義三郎商店を創業したことに始まる。新薬研究所の前身は昭和19年建設の神崎川工場。良い薬を出来る限り早く創るため、中央研究所・摂津工場・油日ラボラトリーズに分散していた関連部門を統合・拡充し、昭和55年に設立。
 塩野義製薬では「常に人々の健康を守るために必要な、最も良い薬を提供する」という基本方針の下、研究・製造・販売の諸活動を続けているが、新薬研究所はその内の研究開発を担う部署。厚生労働省が定める省令に基づき研究活動を進めている。 この省令は施設の環境から、研究の全般にわたり厳しい規制を設けており、定期的な厚生労働省適合性調査を受けている。そして、その評価を得ないと新薬の申請も受け付けられないため、研究所の任務は極めて重要だ。

■コアは医療用医薬品事業
 塩野義製薬は「医療用医薬品」を主力とするが、皆さんが購入する薬局向けの製品としては、総合ビタミン剤の『ポポンS』、鎮痛剤の『セデス』などがある。
 その他「検査薬」を扱う。医薬品の開発には巨額の開発費と長い年月が必要で、開発の段階で折角見つけた候補品も、有効性や安全性など様々なハードルをクリアしなければならず、医薬品として認可されるのはごくわずかだ。こうしたことから医薬品を正しく開発できる有能な人材と巨額の開発費の供給がポイントとなっている。

期待を担う新薬研究所
■社会貢献と環境保全
 塩野義製薬では、医薬品により人々に貢献する一方で、社会貢献も企業の使命として、シオノギ社会貢献支援会「ソシエ」を設立。地震や暴風雨、噴火などの災害地への支援やボランティア休暇、骨髄移植ドナー休暇制度の活動を支援している。 また当研究所では、地元子供会へダンボール等を提供している他、約3百名の職員が救急救命講習修了証の資格も取得し、地域貢献に尽力している。
地球環境の保全と人々の安全に配慮し、豊かな社会の実現に貢献するために、環境ISO14001を取得し、地域の皆様との共生から徹底的な環境汚染の防止、敷地外の清掃活動などにも積極的に取り組んでいる。

■独創的な医薬品の創製と迅速な開発
 少子高齢化に伴う医療費抑制策が相次いで打出され、医薬品市場が縮小する中、厳しい競争下にある製薬業界。塩野義製薬ではジャストインタイム物流システムの構築、国内はもとより海外展開も積極的・柔軟に進めている。
 人々の健康のために安全で有効な新薬を創生するために、開発化合物の有効性・安全性をより早く、より経済的に行おうとしている新薬研究所の今後の取り組みに、期待が集まる。
この記事は「とよなかCHAMBER」2003年11月号に掲載されたものです。