豊中にこの企業あり!
活躍する会員企業の概要・事業展開などを中心にご紹介します。
第66回 井関食品(株)
取締役 井関 優 氏
取締役 井関 優 氏 
井関食品(株)
取締役・・・井関 優 氏
事業内容・・・飴菓子製造
所在地・・・豊中市浜2-5-14
TEL・・・06-6333-9408
http://home10.highway.ne.jp
/iseki/
 

「熱中飴」ってご存知ですか?
 この夏、多くのマスコミに取り上げられて大ブレイクした熱中症対策飴。この飴を製造販売しているのは井関食品株式会社。なんと、豊中の企業なんです!

■お寺の参道から火がついた
 昭和20年に菓子問屋「井関商店」として開業した当社。株式会社への改組を経、昭和45年、菓子製造業に業種変更。その当時はせんべいの製造が主体だったそうだ。  
 そんな当社に転機が訪れたのは14〜15年前のこと。宝塚にある清荒神の参道にて販売していた「れんこんのど飴」が、土産物として人気を博すようになり、スーパーなどでも販売を始め、現在のような飴の専業メーカーとしての礎築いた。
■昔ながらの製法にこだわる
  当社のこだわりは数々あるが、まずは何と言っても製法だ。「地釜」と呼ばれる昔ながらの銅の鍋を使用し、飴を直火でことこと炊き上げる。効率は決して良くないが、こうやって砂糖を念入りに焦がしてこそ、「旨みのあるいい飴に仕上がる」と井関取締役。「食の安全」への意識向上を計る当社は素材にもトコトンこだわり、不要なものは一切使用せず、自然の味を大切に、一個一個仕上げた飴のみを「地釜本造り」と銘打って送り出している。
 当社のいち押し商品は、生の根菜をすりおろして飴に炊き込んで仕上げた「れんこん入り せきのど飴」「だいこん入り 花梨のど飴」「しょうが入り 梅のど飴」の、のど飴三種。他に、「丹波産大豆飴」や「千葉産ピーナッツ飴」「宇治産抹茶飴」など原材料の産地を特定し、昔ながらの製法でしか出せない良さを追求したこだわり飴も人気。一に製法、二に素材。ここに徹底的にこだわる。
銅釜で直火でコトコト 徐々に冷やされ凝固させる
銅釜で直火でコトコト   徐々に冷やされ凝固させる

■大ブレイクした「熱中飴」
熱中飴
 この夏、一躍当社の人気商品となった「熱中飴」。販売を開始したのは昨年だが、「ずいぶん前から構想はあった」という。そもそものきっかけはある建設会社からの依頼で。  
 夏の工事現場では熱中症対策が必須。その建設会社では工事現場の従業員に塩を舐めながら1日数リットルの水を飲むということを徹底させていた。ただ、塩をそのまま舐めるよりも、もっと手軽に抵抗なく塩分を補給できるものをということで、この建設会社でのモニター等をもとに試行錯誤してできあがったのが「熱中飴」。猛暑も手伝って、たちまち大ブレイク。手に入らないというほどの人気商品となった。  
  「夏に飴は売れない」という業界の常識を完全に覆した当社。まさにこだわりと努力が実を結んだ結果と言える。

この記事は「とよなかCHAMBER」2007年11月号に掲載されたものです。