自社の経営状態を正しく把握するためのやさしい決算書の読み方【会社法による改訂版】
はじめに
 素人には判読できそうにない、何やら難しい数字が並んでいる決算書。まして、その決算書をもとに経営分析をするとなると、専門家に任せるしかないと思い込んでいる事業主が少なくないようです。
 自分で決算書をつくるとなると、ある程度の専門知識がないと難しいのは確かです。しかし、ポイントさえ押さえておけば、出来上がった決算書を読むのはそれほど難しいものではありません。また、数字の意味を理解しておけば、自社の経営がどういう状態にあるのかを把握することも可能です。
 そこで今回は、決算書を代表する貸借対照表と損益計算書を中心に、何の目的で決算書を作成するのか、とくに重要なポイントはどの項目か、そのポイントを見れば何がわかるのか、それらの数字をどのように経営に活かせばいいのか、といった点についてわかりやすく解説することにしました。
 なお、決算書について不明な点やご相談がある場合は、最寄りの商工会・商工会議所の相談窓口へお問い合わせください。
平成18年10月
1.決算書を読む 決算書の種類と目的 会社の健康診断を行う準備段階として、
まず「財務三表」をしっかり理解しましょう。
ひと口に決算書といってもいろんな種類がありますが、なかでも代表的なのが俗に「財務三表」と呼ばれている3つの決算書です。自社にはどれだけの財産があり、どんな構成になっているかを見る貸借対照表。どのようにして利益(損失)が生み出され、実際にどれだけ儲かっているかを見る損益計算書。そして資金の活用状況や資金繰りなどを見るキャッシュフロー計算書がそれです。まず、「財務三表」とはどんなものなのか、何の目的でつくられるのかといった基本をご理解いただきたいと思います。
会社の財産はどれくらいある?→貸借対照表(B/S)
会社はどのくらい儲けてる?→損益計算書(P/L)
資金を効率よく回っている?→キャッシュフロー計算書(C/F)
2.決算書は語る 決算数字の意味と分析のポイント 会社の健康状態を知るため、それぞれの
数字が持つ意味をしっかり理解しましょう。
決算書に表記される数字は生きています。日々の経営活動のなかでとどまることなく変化する、それぞれの数字の意味を正しく理解し、自社の財政状況や収益状況、あるいは経費の使い方などを正しく把握しておかなければ、的確な経営判断をくだすことはできません。そこでこの章では、貸借対照表や損益計算書を読み取るポイントを解説するとともに、販売費及び一般管理費の問題点、その他決算書の注意点などを取り上げ、個々の決算数字が物語る意味をご理解いただきたいと思います。
貸借対照表→会社の財政状況を把握するための7つのポイント
損益計算書→順調に利益があがっているかを知る5つの利益・5つの費用
販売費及び一般管理費の適性度と問題点を探る
[ここがポイント]決算書の見方・考え方
[トピックス]新「会社法」スタート 法人税アラカルト
3.決算書を活かす 決算書の経営への活用法 会社の健康を維持・増進するため、
決算書を十分に活用しましょう。
決算書に記載された数字は、過去1年間の経営活動の結果を雄弁に物語ってくれます。日々の仕事に追われていると、とかく目先の取引や利益のみにとらわれがちですが、年に一度の決算は会社の全体像を見直し、よりよい方向へ軌道修正する絶好のチャンスです。何期分かの決算書と対比しながら、一体どれだけ儲かっているのか、資金繰りはうまくいっているのか、これからも安定した経営を続けることができるのかなど、自社がかかえる問題点とその解決策を考えていただきたいと思います。
会社の健康状態は大丈夫?→自己資本比率を中心に安定性を検証する
会社は本当に儲かっている?→売上総利益を中心に利益を検証する
資金は効率よく回転している?→入手金状況を把握し資金繰りを検証する
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