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| 平成13年度第5回地域産業情報化研究会会議録 <講演第1部> |
| 1.講演 『情報化の最新動向とEビジネスの展望』について 流通科学大学 情報学部 経営情報学科 教授 辻 新六 氏 2. 『平成13年度地域産業情報化研究会報告書(案)』について 豊中商工会議所事務局長小早川氏より、平成13年度地域産業情報化研究会報告書(案)の説明を行った後、今回の研究会の内容を提出案に反映・修正の上、報告書とすることに対して、出席委員の了承を得た。 |


| (公演内容) |
| ■IT分野の動向 | |
| 近年IT不況が声高に叫ばれているが、IT分野全てでそうなっているわけではない。確かに電子部品部門では落ち込みが激しく、景気に大きな影響を与えリストラを加速させた要因ともなった。しかし、ここ数年間における情報サービス産業の売上は二倍程度の伸びを見せており、それほど悪いものではない。実際に、ゲームコンテンツの製作などソフト開発の分野ではかなりの動きが見られる。また現在注目されているブロードバンドに関しても、比較的に低い価格でのサービス提供が実現されるようになり、FTTHを基軸にした高速通信への流れができつつある。しかし、実際にこの高速通信に対応できるようなサーバの構築とコンテンツ作りが遅れているのが現状であり、現在各方面でコンテンツの準備のほか、数百万人規模のアクセスにも対応できるようなサーバの整備が急がれている。 昨年から今年にかけて、多くの企業で「社内ビジネススクール」といった研修・人材育成が盛んになってきており、新しい力を持つ人材によって企業の新たな方向性を見出そうとする動きが出てきているのだが、これとともにインターネットを積極的に活用した企業活動が注目を集めており、経営戦略のなかにしっかりと位置付けられたインターネット戦略が、大企業のみならず中小企業においても積極的に進められている。さらに、企業だけではなく行政機関でもインターネットを活用した情報発信への取り組みを進めているところもある。 このようにさまざまな場所でインターネットを基軸とした活動が開始されている。 |
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| ■B2Bの動向 | |
| こうした中で、政府のe-Japan戦略でも掲げられているようにB2B市場の動向が注目を集めている。ECOMの資料によると、2001年のB2Bによる取引額は34兆円となっており、対前年比で約58%の増加であった。この数字は2000年の予測値(約35兆円)を若干下回っている。その内訳としては、電子・情報関連機器と自動車が依然として大きな部分を占めている。このほかに現在急速な伸びを見せているのが、化学、産業関連機械、事務用品などの分野であり、8〜19倍といった伸びを見せている。また電子政府が動き出すことを受けて、建設分野でも電子商取引が活発になりつつある。B2B市場の伸び率はこの5年間を通じて毎年50〜60%という数字を維持しており、2006年には125兆円程度の市場規模になると予測されている。また、現在約20%前後の割合である電子情報関連、自動車以外の分野が急速な伸びを見せ、2006年には60%近くを占めるようになると予測されている。さらに、B2Bのなかではまだ規模が小さいが、eマーケットプレイスも徐々に動き始めている。これに関しては今年から、1対n(ウェブ販売サイト)とn対1(電子調達システム)を除き、n対nに限定するという定義の変更があった。しかし、2001年の市場規模推計値は約4兆円となっており、2000年の約1800億円を大きく上回っている。スピードを要求される現在において、スピーディな取引を可能にする電子商取引は、これからますます伸びていくだろう。 | |
| ■eマーケットプレイスについて | |
| eマーケットプレイスとは、自由市場に任せて電子商取引が可能である市場のことであるが、現在、中小企業などが生き残りをかけてeマーケットプレイスを活用しようとしている。昨年の段階でも企業におけるeマーケットプレイスの認知度・重要性の認識は比較的高いものがあり、一年経った現在ではもっと上昇しているものと思われる。また、eマーケットプレイスに期待する効果にも変化が現れてきている。これまで言われてきたIT化の目的・メリットというのは、人件費すなわちコストの削減であり、効率化のためにITを導入する企業が大半を占めていた。しかし、IT化のメリットは決してこれだけではない。実際に、こういったシステム構築の目的に既存取引先との連携の強化や新規顧客の獲得、サービスの付加価値を高めることによる競争力の強化といった、売上増加の効果を期待する企業も増えてきている。しかし、eマーケットプレイスには企業の情報リテラシを向上させることで、参加企業数を増加させなくてはならないほか、買い手の需要に応えられるような品揃えを実現させなくてはならないなどの課題も存在する。取引に伴う決済や物流などの業務を支援するサービスの付加も必要となってくる。 しかしながら2002年度は景気後退の影響を受け、企業の情報システムに対する投資はやや減速している。ところがその内訳を見るとナレッジマネジメント、いわゆる人財の底上げを図る部門への投資は増加傾向にあるようだ。 |
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| ■B2Cの動向 | |
| B2C市場はそのほとんどがブランドを持つ大手企業を中心に動いているのが現状だ。しかしながら、将来的にはユニークなところや老舗が中心になっていくと思われる。これまでは実際に百貨店まで買い物に行って商品を購入していたわけだが、インターネットを利用して注文・購入すれば、買い物にかける手間も交通費も必要なくなるわけだ。また昨年のB2C市場で大きな伸びを見せているのは衣料、雑貨などであるが、これはB2C市場に大手カタログメーカーが参入してきたことが影響しているようだ(クリック&カタログ)。またこれだけでなくブロードバンド化によって定額料金で常時接続が可能になったことで、主婦に代表される女性がB2C市場へ参加してきたことがこの市場の拡大に大きく貢献している。さらに現在でも利用されている、モバイルB2C(携帯端末の利用によるもの)にもこれから新たな動きが出てくるであろう。近い将来にはPDAなどが企業マンの必携アイテムとして広く普及するのではないか。 | |
| ■情報通信技術の未来 | |
| 情報通信技術にはさまざまな分野が存在するが、その目玉としてはブロードバンド、ユビキタス、eラーニング、セキュアなどが挙げられる。 ブロードバンドに関しては、100Mbpsにも及ぶ大容量を有するFTTHがその主流となっていくであろう。100メガの通信容量ならば映画などの大規模情報コンテンツが容易に配信できるようになるため、今後オンライン映像・音楽配信やオンラインゲームなどといったコンテンツが充実してくれば、消費者の生活行動には大きな変化がもたらされる。海外ではこれらの急速な普及とサービスの開始が実現しているところもあるが、これには著作権の保護などといった法律の整備・運用が迅速に行われた背景がある。日本では法律等の問題が数多く存在し、これらの早期解決が求められている。 次にユビキタスであるが、これに関しては無線LANがこれからますます注目されていく。現在でもいろいろなところで実験的なものも含め運用が始まりつつある。その特徴は、飲食店やホテルなどに「ホットスポット」と呼ばれるアクセスポイントを設置することで、屋外でも数メガから数十メガといった大容量通信が可能になることだ。これが将来的にはコンビニなどに設置され、低額な利用料金によっていつでもどこででもインターネットを利用することが可能になるだろう。これによってビジネスの携帯が変化することは間違いない。 三番目に挙げられるのがeラーニングと呼ばれるIT関連技術を利用した遠隔教育システムである。現在、語学やビジネス、趣味などを勉強したいという人が増えてきているが、今後システムの充実に伴って、ネットワークを利用した教育などが活発化するだろう。 最後にセキュア(安全ビジネス)が挙げられる。インターネットの急速な普及とともにIPAセキュリティーセンターへよせられる被害届も急増している。今後も常時接続が増加し、初心者でもインターネットを利用する機会が増えることは確実で被害者の増加が予想されることから、注目される分野になっていくと思われる。 以上の4つが主なものである。今後はIT基盤の変化とともに、個人および組織のITリテラシーの定着が今まで以上に大きな意味を持ってくるであろう。 |
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| ■産学連携について…『e番頭』 | |
| 産学連携に関しては、現在取り組んでいるものに『e番頭』というのがある。これは、ネットショップの立ち上げや運営をサポートできる仕組みであり、学生などにある資格をもった形で支援してもらおうというものである。中堅中小企業の中にはネットショップの有用性はわかっていても、具体的にどのように立ち上げればよいのかわからない、ネットワークを利用した販売でのノウハウがないなどの問題をかかえているところも少なくない。そこで、実際にサーバを管理するといった技術的なサポートだけでなく、ネットショッピングの流れやマーケティングの方法論などといった、経営戦略的な面まで含めた総合的なサポートが可能なシステムがこの『e番頭』である。これによって、いわばインターンシップのようなかたちで学生を派遣し、企業との連携を図っていくことが可能になる。これまで言われてきた産学連携というのは大学の技術をいかに産業分野で利用するかといった話題が多かったが、この試みでは学生という人材をいかに上手く活用していくかということにウェイトがおかれている。この方式も学生・企業双方にとって有益な仕組みである。 | |
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