平成10年度第8回地域産業情報化研究会レポート(第38回)


テーマ:インターネット活用事例研究〜学術研究期間〜

「大阪大学における民間等との共同研究の現状と展望」
講師:大阪大学 先端科学技術共同研究センター助教授 下田吉之氏

先端科学技術共同研究センターは民間等との共同研究制度に基づき、 1995年に設置された施設で、共同研究に必要となる研究設備等を設置し、 各種の共同研究で使用している。 ソフト的には、セミナー、シンポジウムの開催や、共同研究の企業への提案、 共同研究依頼の窓口的な機能も担っている。

「大阪大学先端科学技術共同研究センター」

◆「民間等との共同研究制度」について
・制度は昭和58年(1983)に制定。
・大学教官と民間が対等の立場をとり、成果となる特許も共有。

◆国立大学との共同研究では資金分担により以下のような区分に分類される。
(共同研究)
研究にかかる直接経費を民間が負担する。所定条件を満たせば 文部省からも資金提供がある。研究員を大学に派遣する場合は受け入れ費が必要。また年度の予算を確定しておき、年度内執行が必要。

(受託研究)
研究にかかる直接経費を民間が負担し、その30%を別途国庫に納付する必要がある。また年度の予算を確定しておき、年度内執行が必要ともなる。

(奨学寄付金)
指定した研究者に寄付する制度。研究者は研究目的内で自由に資金利用が可能で、年度内執行も不要。寄付者は寄付金を損金計上できる。大学研究者にとっては大変重宝がられている。

◆大阪大学での共同研究の実績
・昨年度(1997)、大学全体で97件。
・先端科学技術共同研究センターでは31件。
・科学技術基本法の制定(1995年)以降の3年間で急速に増加している。

◆共同研究のメリット
(大学側)
・一般社会との接点機会の増加や、新しい研究テーマの発掘
・研究にかかる資金調達

(企業側)
・大学の人的や設備的な資産の活用
・リスクの大きい基礎的な研究の実施と将来性のあるテーマの発掘

◆共同研究の問題点
・研究成果の公開(大学研究者は公開したい vs 企業は非公開)と特許権
・研究費用の単年度主義と事務手続きの煩雑さ
・大学研究者とのマッチング(テーマ設定、大学研究者自身の多忙)により必ずしも共同研究には至らない場合も多い
・民間から大学側への公式なアクセスルートが開かれていない(改善へ)
・大学側に共同研究に関する物理的スペースの余裕がない

◆これからの動き
・11の制度を改善、制定して、学内技術の公開や共同研究を推進できる環境を整備
・共同研究に対しての政府資金制度の制定
・TLOや技術移転の推進による、特許の活用
・学内からのベンチャーの設立
・学主導の研究の発掘



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