平成17年度地域産業情報化研究会 報告書

<講演>

「情報技術の動向とセキュリティー」

*e―ビジネスの時代―ITとビジネスの融合

  1. ブロードバンドからユビキタス社会へ
  2. オンデマンドを支える情報システム
  3. 企業を守る情報セキュリティー

* 日本のインターネット普及状況の推移
 事業所・企業の普及率は、ほぼ100%で家庭においては、半数普及している。

* ブロードバンド・ネットワークの普及 
 広帯域、高速、常時接続によって、生活スタイルが変わる。それに伴い、ビジネス形態が変わる。

* IPテレフォニーで変わるワークスタイル
従来の社内網は内線網・データ網がIPテレフォニー統合に変わりつつある。IPテレフォニーのメリット、IBMでは電話料金が3/2になる。

  • 端末の移設、追加が自由・VPNを介して外部でも内線通話・PCソフトフォンなど多様な端末接続・電話機を使わない対応アプリ・電話帳連携、TV電子会議などのアプリ連動(ユニファンド・コミュニケーション)
  • スタンダードが決まってきて、その土俵にのかってさまざまな業者がさまざまなサービスを提供できるようになる。ブロードバンドとユビキタスの重要な面だと思う。

* ユビキタス社会とパーベイシブ・コンピューティング
ubiquitous ラテン語語源「いたるところに神が存在する」
ITにかけこんだのが、ユビキタス社会

  • いつでも、どこでも、何でも誰でもつながるネットワーク
  • 意識せずに使える
  • 皆に便利で、子供でもお年寄りでも安心して簡単に使える
総務省でも目指している。

* u−Japan(ユビキタスネット・ジャパン)
Ubiquitous(ユビキタス)あらゆる人や物に結びつく
Universal(ユニバーサル)人に優しい心と心の触れ合い
User−oriented(ユーザ)利用者の視点が融けこむ 
Unique(ユニーク)個性ある活力が湧き上がる

* ユビキタスの実践:携帯電話の進化
ネットワーク:メールやiモード高速化
アプリケーション:ビシネスアプリケーションも浸透してるイントラネット情報や顧客情報など
端末機能:電子マーケット、電子決済
プラットフォーム:JAVA、BREW
スマートフォンへの進化

* ユビキタスの実践:ICカードの適用拡大
非接触ICカード・チップが入ってる交通カードやポイントカードやクレジットと一緒になってるものや携帯電話機能

* ユビキタスの実践:適応エリアが広がるRFID
RFID・ICタグ:ゴマ粒大の集積回路チップと無線通信用アンテナ内蔵の装置
           万引き防止
 応用例、生産管理や工程管理、家庭での利用(賞味期限や薬の管理など)他
 課題、プライバシー保護のルール
「ウォルマート騒動」2005年にすべての製品にRFIDをつけると言ったが、技術的に間に合わなかったし、消費者団体のプライバシー保護の訴えにより出来なかった。
コストが高い
信頼性の向上(水に弱い、特定の金属との組み合わせに弱い)

* バリューチェーンへのRFIDの応用
分散したプロセスを統合し、リアルタイムで入るデータを活かす

* RFIDを利用した「オンデマンドSCM」モデル

  1. 製造者が商品にEPC付きのRFIDタグを付加
  2. 商品はEPC付きのケースにいれられ、RFIDタグがついたパレットに乗る
  3. 製造プラントから出庫する際に、ゲートのリーダーがパレット、ケース、そして個々の商品のRFIDを読む
  4. パレットが配送センターに到着し、個々の商品のIDが読まれる。商品は正確に出し入れされ、労働コストを削減
  5. 最終的に小売店に配達され、IDにより自動的に在庫管理。店内のセンサーが商品の動きを追跡、棚の管理やプロモーション、盗難管理等に利用

* RFIDを利用した流通革命
 ドイツMETROグループ「フューチャー・ストア」
 RFID、ITを使った未来のスーパーマーケット

* RFID活用例:トレーサビリティシステム
 スターゼンの肉追跡
  食肉の安全性
  豚の管理システムと肉の管理システムを連携

* 静脈産業での鷹揚―廃棄物管理
まだ実証実験の段階だが、医療廃棄物にITを使う
RFIDの有効性の確認
コスト面と信頼性の面でまだ実用段階ではないが、かなり課題は見えている。

* 情報家電とホーム・ネットワーク
すべての家電がなんらかのネットワークにつながっている。
携帯で録画予約や冷蔵庫のチェック
在宅医療、介護支援ほの活用(TOTOの在宅健康管理チェックシステムなど) 
 有線、無線LAN、RFID、ブルートゥースなど
 ホーム・セキュリティーとの連動
 地上波デジタル放送とのデータ連動
 電力線ネットワーク(PLC)も模索

* e―Gov:電子政府・電子自治体の実現
 電子投票の試行や市町村合併システム統合化によるコスト削減

* 「デジタルデバイド」とアクセシビリティー
 デジタルでバイトとは、ITを使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる格差
 高齢者、障害者を「補助する」ハード、ソフトの開発や「わかりやすい」「使いやすい」インターフェース表現の研究

* 「経営とITの統合」で目指すオンデマンド・ビジネス
 CEOの視点―ビジネストランスフォーメーション
        即応性・集中化・柔軟性・回復力
 CIOの視点―オンデマンドオペレーティング環境
        統合化・オートノミック・仮想化

* ビジネス・リーダーの優先事項
 CEOの視点―イノベーションによる成長
  顧客体験の向上・バリューチェーンの統合・製品サービスの差別化・組織の変革と従業員生産性
CIOの視点―生産性向上とITの最適化
 ビジネスの柔軟性の向上・情報の戦略的活用・IT環境のシンプル化最適化・回復力
Sense&Respond=「感知して答える」ビジネスへ

* 「経営とITの統合」で目指すオンデマンド・ビジネス
複雑なシステムをシンプル化し、柔軟なビジネスに貢献
ビジネスとITを柔軟に統合・・・「オープン・スタンダード」の重要性
メトカーフの法則「ネットワークの価値はユーザー数の二乗に比例する」

* IT資源の仮想化―グリッド・コンピューティング
分散した資源をまとめ、仮想コンピュータとして運用
空いている資源を効率よく配分することで、稼動率を最適化できる
ユーザーからは「巨大な1台」とも「膨大な専用機群」とも見える

* 事例:金融グリッド・マネージャー(ニッセン基礎研究所様)
金融リスク管理を最適化にグリッドを適用。大幅な資源増強なしに劇的な効果

*事例:社会貢献への応用―ワールド・コミュニティー・グリッド
世界規模の人道貢献活動を目的としたグリッド
世界中の個人企業のパソコンの「空き時間を寄付」、医療や福祉の難しい計算に活用
「エージェント」という無料の小さなプログラムをインストールし、好みの設定をするだけ

* 「自律するコンピューター」の活用―火星探査

* 自律するシステムーオートノミック・コンピューティング
「状況を判断して自ら最適化する」システムをIT資源管理に応用
管理者の負担を削減・人為的なミスの低減・経営資源の最適化

* オンデマンドに向かう「サービス指向」
 CEOとCIOが矛盾、ビジネスとプロセスとIT開発を一体化できないか

*企業を守る情報セキュリティー
増加するコンピューター・ウィルス被害
 進化するウィルス・狙われる「人間の脆弱性」
被害が急増する「フィッシング詐欺」
 銀行や大企業を装ったメールアドレスからメールが届く。
 メール内にリンクをクリックすると、見た目はそれらしいホームページが開く。
 IDとパスワードやクレジットカード番号を入力する。
フィッシングからファミングへ
 メールでの誘い(釣り)無くして詐欺サイトへ誘導するフィッシングの手口の一つ
 不正なプログラムを仕込んだハッキングなどの仕掛け(=種を蒔く)をして待つことから農業(farming)をもじって命名

* 運用管理とアクセス制御
 ユーザーの正当性の認証(デジタル署名・バイオメトリクス)
 データの安全性の確保(暗号・メッセージ認証)
 不当侵入のブロック(フイルタリング・プロキシー)
 不当アクセスの制御(個人情報保護法・不当アクセス禁止法)

* ユーザー正当性の認証

* 個人情報保護法に対する企業の対応

* 企業としての対応姿勢
 セキュリティー対策は・・・「技術課題」か「経営課題」か?
 金銭リスクと信用リスクと小さくする

* セキュリティー・マネジメント
 ISO17799は情報セキュリティー対策の管理の仕組みについて規定した国際標準規格で、ISMS適合性評価制度はISO17799に基づいた日本における評価認定制度。

* 管理領域と全体のセキュリティーレベル
10の管理領域

  1. 情報セキュリティー基本方針
  2. 組織の情報セキュリティー
  3. 資産の分類および管理
  4. 人的情報セキュリティー
  5. 物理的および環境セキュリティー
  6. 通信および運用管理
  7. アクセス制御
  8. システムの開発および保守
  9. 事業継承管理
  10. 適合性

* IBMの社内事例
ビジネス・コンダクト・ガイドライン(BCG)
NCO HelpLine
コンピューター・セキュリティー&ユース・スタンダード
CPO(チーフ・プライバシー・オファサー)の任命
IBMの社内セキュリティー・チェック(Workplace Check)

Q&A
質問:業者の方から見て、末端でこれから使う方、どう使う方法とかビジネスがあるんでしょうか?
回答:特に携帯やパソコンの機能が多すぎる。それをうまくナビゲートして初めて使う人でも、これがまったくいきてない。ぶ厚いマニュアルを読んだり、本を買ってきたり、先生に教わらなくてはいけない。
これに非常に力を入れているところです。 お金と人材をかけて各社、これからの研究する決心をもっています。
質問:インターネットこれからさらに問題になってくると思います。データと制御装置が一緒になっている。なんでも繋がってしまう(家電など)。今後データのセキュリティーやネットワークがこれからどうなっていくべきなのか?
回答:IPv6が普及していくとセキュリティーLANが複数の同時並行でながして、比べることによって改ざんを防ぐ。世界的に研究を打ち出している。
質問:スーパーマーケットや小売業のRFID・ICタグですが、社内で使う場合、コストが掛かりすぎてまだ実験段階にもいかないのですが、日本、アメリカなどでどれくらい研究が進んでいるのでしょうか?
回答:高額商品アパレルなどの分野だといいんですが、安い商品に付けるのはまだまだ。
回収をしてコストをさげるなど使い方の工夫をして、コストが10円台まで下がれば、普及する可能性があるかも。



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