第4回 簡易組立トイレ ピコ(仮称)
販売企業:株式会社フジアウテック
代表者:斎藤 栄三氏
所在地:豊中市曽根西町1-9-15
TEL:06-6843-6633
www.fuji-outech.co.jp

  今回ご紹介いたします看板商品は、「簡易組立トイレ ピコ(仮称)」。エクステリア工事業(造園業)を本業とする株式会社フジアウテックの斎藤社長が、本業の現場での問題を解決すべく開発した画期的な簡易組立トイレです。
 これまでの本格的な仮設トイレなどは運搬にレッカーが必要でしたが、この製品は写真のとおり、組立2分、解体2分、折畳めば厚さ6cmで軽々運べることが最大の特徴。工事現場やイベント会場、災害時の簡易トイレとしてはもちろん、更衣室やシャワールームとしても使えるなど、用途は広範囲。
 昨年5月から開発を始め、まだ開発途上だそうですが、既に引き合いも多数。ロケットスタートで一気にブレイクしそうな製品です。

●ここがすごい!

・組立2分解体2分で毎日組立、毎日撤去可能。
・収納時折畳めば厚さ6cm。災害時備蓄用などに大量保管が可能。
・水道工事、電気工事、基礎工事不要。サイドステーに水タンクなどの重しを置けば、普通の風は問題なし。
・重さはわずか9・5kg。女性でも楽々運べます。
・素材は全てポリプロピレン。原油に戻せる素材なのでリサイクル可能なエコ商品。
・中の便器はポータブル水洗タイプと直放流水洗タイプをご用意。予算や用途・場所に合わせて選択可能。

斎藤社長を直撃!

斎藤 栄三 社長
・開発のきっかけは何ですか?
  私達エクステリア業界のトイレ事情は最悪なんです。住宅メーカーのエクステリア工事を下請けする場合、住宅本体工事が終われば現場用トイレは撤去され私達でトイレを調達しなければならないのです。だからどうしてもポリタンク式の簡易トイレのような簡単なものを置いて用を足すことが多くなり問題となるわけです。お客様にとっては敷地内でポリタンクの簡易トイレで用を足されてはご近所の目や汚れが気になり堪ったものではありません。またエクステリア業界で働く人間にとってもこのトイレ事情は最悪です。このようにエクステリア業界で働く人達の人間性重視の観点から、このような現場用トイレの開発を思い立ったわけです。

・今後どういうところで使ってほしいですか?
 工事現場や災害時はもちろんのこと、福祉や介護の現場でも使ってほしいですね。人間には年齢に関係なく「恥じらい」という感情があります。たとえ家族の前であっても、人前で用を足さなければならないのは苦痛です。この商品がその苦痛を取り除けるものになれば。

・最後に一言!
  「この商品はいいものだから、売れる」と信じて起業する方がいますが、私はそれは違うと思っています。「売れたものがいいもの」なんです。そして成功を掴むには「時の運」が必要。ただし「時の運」は誰にでもやってくるものではありません。「努力」という当たり前のことを日々重ねていることが条件なんです。

【取材を終えて】
 斎藤社長はとにかくパワフル、そして思いやり溢れる方でした。本業のエクステリア工事業で創業以来40年間トップを走り続ける一方、中小企業創造活動促進法で2件、中小企業経営革新支援法で1件の認定を受けるなど、常に現場からの発想で新たなことにチャレンジし続けておられます。現在新連携にも挑戦中。やる気みなぎる斎藤社長を豊中商工会議所も応援し続けます。

この記事は「とよなかCHAMBER」2007年3月号に掲載されたものです。