とよなか企業探訪

▲ 高橋社長（本社にて）

●卸売業から小売業へ
高橋ミート（株）は高橋武史（たけふみ）社長の父、高橋成暢（せいちょう）氏が昭和26年に精肉の卸売業で創業したことに始まります。
その後、武史氏が事業を継承し、昭和50年に小売業に業態を転換、1号店が豊中市夕日丘の阪急共栄ストア内に設けられました。
お肉は高品質な各種牛肉を取扱うなか、これまでの精肉卸で培った知見から国産牛の中でも最高級の肉質を誇る佐賀牛を主力ブランドとして取扱い、リーズナブルな価格でお買い求めできるお店として消費者の支持を集めました。
現在は大阪市内の阪急オアシスを中心に6店舗のテナント型食肉販売事業を展開しているほか、平成23年からは直営食肉販売の路面店を北摂地域で開設し、高品質な生鮮食材を販売する「肉の専門店 たか橋」「生鮮専門店 たか橋」の名で3店舗運営しています。
夕日丘の1号店は、その後阪急ファミリーストア（現在の阪急オアシス）への変遷の際に天六店に移転し、現在は無くなってしまいましたが、新たに夕日丘の地で直営レストラン「焼肉たか橋」を平成18年から営業。事業の原点である豊中市夕日丘の地を大切に継承しています。


▲ 肉の専門店 たか橋本店（箕面市今宮）


▲ 直営レストラン 焼肉たか橋（豊中市夕日丘）※2023.5.14閉店

●佐賀牛へのこだわり
日本全国に銘柄牛は数多く見られますが、その中でもトップクラスの黒毛和牛として知られるのが佐賀牛。
佐賀県の豊かな自然環境の中で、肥育農家の細やかな管理技術と独自の飼養基準、そして熱い情熱で育てられた佐賀牛は、きめの細かな美しい霜降り肉、いわゆる「艶さし」と呼ばれる旨味の凝縮した肉質で愛好家を魅了しています。
高橋ミート（株）では国産牛の中でも最高級の肉質を誇るこの佐賀牛を無名の頃から着目し、小売業のスタート時より看板商材として取扱い、消費者へ高品質な牛肉をリーズナブルな価格で提供しています。
これは、大阪・神戸・福岡の食肉市場で毎日せりによる直接買い付けができる強みがあるためで、競合他社に負けない仕入ノウハウを構築しています。
佐賀牛の販売における長年の功績が評価されて、JA佐賀から畜産振興の感謝状も受賞しています。



●歴史と伝統が培ってきた食肉加工技術
高橋ミート（株）では、肉の専門店として『どこよりも鮮度良く』を掲げており、商品加工の技術を高めるべく、社員教育に力を入れています。
「目利き力、加工のタイミング、トリミング、スライス、綺麗な盛り付けに至るまで『丁寧な商品づくり』は当社の一番大事なところ」と高橋社長。
また、「社員には生産者の想いに触れてほしい」と、年に数回、産地見学を実施し、川上からの理解を深める勉強も取り入れています。
コロナ禍で内食（自宅で食材を調理して食事をすること）の需要が増加するなか、展開する事業は堅調に推移し目下の売上は21億円を達成。
創業70年超の歴史と伝統が培ってきた食肉加工技術をベースに、時代と顧客ニーズに合わせて事業を進化させている会社です。