今月の「サムライ」は豊中・千里中央を拠点に活動されているプロダクトデザイナー、南大成さんです。「プロダクトデザイナー」って、きっと縁遠い職業のように思われるかもしれません。でも実は、スプーン、フォーク、家電製品等、私たちの生活に密着しているモノ、それをデザインするお仕事なんです。

●プロダクトデザイナーになろうと思ったきっかけは？

祖父が部品を集め自転車を組み立てたり、父が教材用の道具を作るのを見て、物心着いた頃より、モノ作りが好きでした。芸術の中心地に近いイギリスに留学し、アート全般を勉強したのですが、アートでは食べていけないだろうと思い、「現実的なアート」として、プロダクトデザイナーになろうと思いました。

●得意分野は何ですか？

家電や雑貨、身の回りにある生活用品のデザイン。複雑な形状より、シンプルな形状が得意です。他のデザイナーより、生活者視点で家庭や地域に根差したデザインを心がけていると思います。「一生活者として購入し、使い続けられるデザインかどうか？」を常に意識しています。その思いを実践するために、自身でバターナイフを作り、実生活で使うことからはじめています（右写真）

●今後の方向性・将来設計について教えて下さい。

「生活者視点のデザイン」を理想に、まずは家族や友人、地域の方々や企業にデザインの良さを伝えていきたいと思います。現在、デザイナーと言っても何の仕事か分らないという方が多数だと思います。それは、デザインというものがデザイン業界の中だけで盛り上がっており、一般生活者には接点が感じられないからです。なので日頃皆さんが何気なく使っているフォークやスプーンを学生や経営者に作ってもらい、実際に使ってもらうことで、日頃の「食」や「生活」を「再体験」して頂くイベントを企画しています。ご自分が作ったモノを生活の中で使って初めて、デザインの良さや凄さがを実感して頂けるのでは、と思います。