今月のキーパーソン

●ご経歴、プロフィール等をお教え下さい。
宮崎県の高鍋高校から立命館大学に進学。卒業後、（株）オービックでSEとして約24年間勤務しました。
人事・給与・就業システムの構築を担当していた時に労働法や社会保険について学ぶ必要があり、社労士の資格を取得。退職後、労基署の相談員を経て社労士として10年前に開業しました。
私は法律の専門家ですが評論家やコメンテーターではなく、あくまで私自身が会社や経営者のサポーターとして「頑張る人が報われる職場、社会であって欲しい」という思いでご支援をするよう心掛けています。

●支援での得意分野は？
就業規則の策定や賃金制度や評価制度の構築、あと従業員研修です。後述しますが私自身が管理職として苦労した事もあり、また「上司こそが最大の職場環境」という信念がありますので、従業員の成長や働き甲斐向上の為に、とりわけ管理職研修・ハラスメント研修・コミュニケーション（報連相）研修に力を入れています。

●人生の転機は？
前職の会社を退職する際、その10年以上前に退職させた部下からもらったメールです。
彼が退職したのは、上場を目標に会社が急成長をしていたハードな時期。そんな中、マイペースで優し過ぎる性格ではやっていけないと、辞めてもらった部下でした。
もらったメールには、慰労と感謝の他、１０年前の反省と彼が管理職として頑張っているという近況の報告がありました。衝撃を受けました。
彼は変わらないだろうと「ダメ出し」をしたのに、ずいぶんと成長していたのです。本当にダメなのは、上司としての私の方でした。
情けなくて申し訳なくて、会社なのに涙があふれてしまいました。
その経験が、人材育成に手が回らない会社や、当時の私のように部下の指導に苦労している管理職を応援したいという思いとなり、今の仕事の糧になっています。

●読者の方にお伝えしたいことは？
コロナ禍の中、経営者の方や社員の皆さんは本当に大変なご苦労をされていることと思いますが、今こそ、自分の仕事の大切さやチームや会社の存在意義について思いを寄せて欲しいと思います。
新型コロナによる不況という「痛み」を共有して、仕事や会社の「目的」を共有し、チームとして「思い」を共有する。そして仕事が出来る「喜び」をみんなで感じることが、きっとコロナ後の時代にV字回復のエネルギーになるのではないかと思うんです。

●最後に
「少子高齢化」で、若い世代の労働力不足と中・高齢者の活用の在り方を見直す時にきています。
ベテラン社員のモチベーションの為の制度設計や研修等に力を入れていきたいと思います。生き生きと働く先輩の姿は後進のモチベーションにもなりますからね！