とよなか企業探訪

株式会社テトラファースト


▲ 代表取締役 三明修身氏

今回の企業探訪では、「株式会社テトラファースト」をご紹介します。国内のアパレル市場では輸入衣類が98%に迫るほどのシェアを占めていますが、同社では、企画から製造まで自社工場で対応しています。
素材も全て日本製にこだわったものづくりを続けており、「SPLASH FAST」、「UNO SPLASH」、「匠ニット」といった自社ブランドの展開のほか、OEM・ODMにも対応しています。

●創立から現在まで
株式会社テトラファーストは、大学で機械工学を修めた三明代表が、新卒で入社した横編みニットの会社を退職したのち、同時期に退職したメンバーとともに、コンピュータ横編み機の柄データの作成をメインとする企業として、1990年5月8日に設立しました。メンバーは技術屋集団で営業ノウハウがなく、設立間もなく倒産の危機を迎えます。
そのような状況下でコンピュータ横編機大手の某社に、1/100㎜の精度を求められる機械工学の世界の出身であることを活かした制御プログラムや柄データの作成を提案、安定した売上を確保できることとなりました。
また、このときの経験をもとに1993年には製品開発事業をスタート、1996年には香川県観音寺市で縫製工場「ヴィエント」を、2004年には山口県豊浦群で編立工場「ジェルマーノ菊川」を立ち上げるなど事業を拡大してきましたが、水害により2度も機械の全損、在庫廃棄の憂き目にあいます。
その後、2019年に編立から縫製まで一貫して行う工場「ヴィエント&ジェルマーノ」を開設して現在に至ります。
この間、取引先の倒産で多額の負債を被るなど、多くの危機を経験してきましたが、アパレル業界で輸入が急増する中、「このままでは日本でモノが作れなくなる、自分たちがやっていることだけでも日本製で続けていこう」という決意のもと、日本製にこだわった製品づくりを継続しています。


▲ 編立から縫製まで自社工場で一貫生産

●「成型編み」へのこだわり
ニット製品の製造には成型編みとカット縫製の二つがあり、それぞれ一長一短があります。
成型編みについては、裁断作業がないためほつれや型崩れが起きにくいこと、編地を活かした縫製を行うため無駄なシワやたるみがないシルエットが生み出せること、カットロスがないためことがメリットである一方、作業時間が長くなる、作り手の技術が求められる、といったデメリットもあります。
同社ではニット製造歴40年以上の職人たちが、ニットの魅力を最大限に引き出す製法を探り続けた結果、手間と時間をかけてでも、成型編みにこだわったものづくりを続け、妥協のない商品を提供していくことを決意して事業に取組んでいます。

●今後の展開について
日本のアパレル市場における購入単価は右肩下がりを続ける一方、同社の主力商品は一着3万円前後の、比較的高価格帯のものが中心です。
そこで、今後の目標としてはネット販売でのオーダーメイド商品の販売力強化とブランド力のアップへの取組を考えています。
自社ブランドをオーダーメイド生産へ転換していき、受注分のみを生産・販売することで廃棄をなくしていく取り組みはSDGsの流れとも合致しており、今後注目が集まることが期待されます。

株式会社テトラファースト

■代表者名 代表取締役 三明 修身 氏
■事業内容 ニット製品の製造販売
■所在地 豊中市庄内宝町3-2-22(本社)香川県観音寺市池之尻町1498-4(観音寺工場)
■従業員数 13名
■TEL 06-6336-9556
■URL https://www.tetrafast.co.jp/index.php
BACK NUMBER

このページをシェアする

<お申込み・お問い合せ先>

豊中商工会議所  〒561-0884 豊中市岡町北1-1-2
TEL 06-6845-8001

その他情報

読込み中です...しばらくお待ち下さい